鬼一法眼
鬼一法眼(きいちほうげん・おにいちほうげん)は、『義経記(ぎけいき)』(※)に登場する陰陽師で、参考②や鞍馬寺山内にある鬼一法眼社では、源義経に兵法を教えた人物として紹介され、鬼一法眼社では、祭神として祀られています。
- (※)
- "義経伝悦や武蔵坊弁慶・静ほか周囲の人々の逸話を添えて描いた物語。全8巻。作者未詳。成立は室町時代と推定されています。"(参考①)
『義経記』の内容
鬼一法眼は、一条堀川に住む陰陽師で、文武に優れ、16巻の兵法書を持っていました。
これを知った義経は、兵法書を求めて法眼の元に行きますが、見ることは出来ませんでした。
そこで、義経は法眼の娘と通じて兵法書を入手し(書き写し)、4ヶ月後には16巻全てを覚えます。
義経が娘と通じていることを知った法眼は、弟子の湛海坊を差し向けて、義経を亡き者にしようとします。しかし、湛海坊は返り討ちに遭い、法眼の肝を冷やすどころか、娘も義経に別れを告げられ、悲観に暮れて亡くなってしまいます。
鬼一法眼之古跡
鬼一法眼之古跡は、法眼の墓と伝えられている場所で、鞍馬小学校の横(叡山電車 貴船口駅から東に歩いてすぐ)にあります。石標は、大正14年(1925)11月10日、鞍馬校の職員、生徒一同によって建てられました。
鬼一法眼社
2015年4月に撮影
鞍馬寺の仁王門から由岐神社に行く坂道の途中(東脇)にあります。(仁王門から由岐神社まで267メートル)
2018年11月に撮影
平成30年(2018)台風21号の影響により、建物が損壊しました。
参考文献
- 18.義経記 - 歴史と物語:国立公文書館
- SA001 鬼一法眼古跡 - 京都市
- 『鞍馬山案内』(総本山鞍馬寺)