八坂神社 疫神社(蘇民将来社)

疫神社(蘇民将来社)

疫神社(えきじんじゃ)は、蘇民将来(そみんしょうらい)を祀る社です。

『釈日本記』にある『備後国風土記』の逸文によると、

旅に出ていた武塔神は、日暮れになったので、その土地に住む兄弟に宿を求めます。弟の巨旦将来(こたんしようらい)は裕福でしたが断わり、兄の蘇民将来は貧しくても栗飯などで精一杯もてなしました。

後年、八柱の御子を連れて再訪した武塔神は、蘇民将来にかつて受けた恩に報いたいといい、また、家族はいるかと尋ねました。蘇民将来は妻子がいると答えると、武塔神から茅の輪を腰の上に付けるよういわれ、娘に茅の輪を付けました。武塔神は、茅の輪を付けた娘以外を滅ぼし、こう言います。

「我はスサノオである。今後、疫病が流行しても"蘇民将来の子孫なり"といって、茅の輪を腰に付ければ、その災厄から免れることができるだろう。」

この故事に因み、6月末の大祓(夏越の祓)の神事では境内に茅の輪が置かれ、参拝者は茅の輪をくぐり無病息災を祈願します。

祇園祭と疫神社夏越祭

祇園祭は、疫病を鎮めるための催し「御霊会(ごりょうえ)」を起源とすることから、「蘇民将来子孫也」と記された護符を身に付け、祭りに奉仕します。

疫神社夏越祭は、祇園祭の閉めとなる神事で7月31日に執り行われます。疫神社の前にある鳥居に茅の輪が置かれ、参拝者は茅の輪をくぐって疫病退散を祈願し、「蘇民将来子孫也」と記された護符を授かります。

疫神社(蘇民将来社)
参考文献
  1. 八坂神社社務所『八坂神社由緒略記(改訂版)』(平成二十五年第二版発行)
  2. スサノヲと祇園社祭神 - 鈴木耕太朗(PDF)