忠盛灯籠
忠盛燈籠は、平清盛の父「忠盛」と白河法皇にまつわる逸話に登場する燈籠で、『平家物語』に記されています。
五月雨の降る夜、白河法皇が祇園女御のところに向かおうと、八坂神社を通られた時の話
前方に鬼のようなものが見えたので、法皇はお供の平忠盛に討取るよう命じられますが、忠盛は、そのようなものではないと思い、殺生をせず生け捕りにしました。捕らえた者を確認してみると、燈籠に灯明を供えようとしていた祇園社の僧で、無益な殺生を防いだ忠盛の思慮深さに人々は感嘆したといいます。
『平家物語』の一部体系には、平清盛が白河法皇の落胤として語られています。上記の出来事により、忠盛は白河法皇の寵愛していた祇園女御を与えられますが、女御は法皇の子を宿していました。法皇から「女子なら法皇の子とし、男子なら忠盛の子とし武人にせよ」と仰せつかり、男子が産まれたので、忠盛はその御子を清盛と名付けて育てました。尚、この落胤説は信憑性が低いとされています。