随求堂
随求堂(ずいぐどう)は、清水寺の塔頭「慈心院」の本堂で、秘仏本尊「随求菩薩坐像」を祀ることから、名付けられました。
室町時代以前から存在し、江戸時代には有力塔頭として栄えましたが、明治政府の神仏分離令の影響を受け、現在はこの本堂を残すのみとなりました。
現在の堂は、前堂と後堂を相の間で繋いだ建物で、享保20年(1735)に再建(※)されたものです。
- (※)
- 参考①より, 参考②は享保年間(1716-1735)
胎内めぐり
随求堂胎内めぐりは、平成12年(2000)の本堂本尊御開帳を記念して開設されました。
地下の暗室を大随求菩薩の胎内にみたて、手すりの代わりに設置された大きな数珠を頼りに光明を探し求めると、大随求菩薩を象徴する梵字が印された石があり、その石を回して所願成就を祈願します。さらに進むと、今度は出口の光(太陽)が光明となるというもので、一般の人にも仏教の世界観を体験してもらう試みとなっています。
随求堂の秘仏本尊「大随求菩薩」は、大随求陀羅尼経を具現化したもので、衆生の求めに随(したが)い叶える功徳をもつといわれています。
参考文献
- 横山正幸『京都清水寺さんけいまんだら』(京都 清水寺)
- 『清水寺 Kyoto Kiyomizu dera Temple』(便利堂)