地主神社の歴史

地主神社 じしゅじんじゃ

地主神社(じしゅじんじゃ)は、清水寺の本堂に隣接する大国主命(おおくにぬしのみこと)を主祭神とする神社で、縁結びのご利益や恋占いの石で広く知られています。

写真の右端の像は、『古事記』に記されている大国主と稲羽の素兎(いなばのしろうさぎ)で、この袋を持った姿や大国が「だいこく」とも読むことから、神仏習合の思想では、七福神の「大黒天」と同一の神とされています。

社殿の修復のため、工期約3年で、令和4年(2022)8月19日より閉門しています。

目次
  1. 歴史
  2. 恋占いの石
  3. 清水寺の歴史
  4. 参考文献

旧称は、地主権現といい、清水寺を含むこの一帯を守護する神をお祀りしています。

主祭神は、大国主命ですが、その別名である大己貴命(おおなむちのみこと)と記されているものもあります。
また、一説には、"坂上田村麻呂を地主権現となすともいう(山洲名跡志)。"(参考②)

創建も諸説あり、公式サイトには、"創建年代は神代(かみよ:日本の建国以前)"(※)、京都市の駒札には、奈良時代以前、参考②には、"創祀は清水寺の創建時と同じ"とされています。

(※)
アメリカの原子物理学者ライル・ボースト博士の研究により、恋占いの石が縄文時代のものであることが判明したことによるものと推測される

神仏分離令により、明治元年(1868)清水寺から分離独立して、現在の社名「地主神社」と改称し、清水寺で祀られていた滝明神(※)や栗光稲荷などを合祀しました。

(※)
参考③には、滝明神(竜神)とあり、公式サイトの少童命(龍神)のことだと思われる

平成5年(1993)地主神社本殿・拝殿・総門、及び境内地は、国の重要文化財の指定を受け、翌年、清水寺の一部として、世界文化遺産に登録されました。

社殿は、寛永10年(1633)徳川3代将軍家光により再建されたものです。

恋占いの石

恋占いの石と拝殿

恋占いの石は、本殿と拝殿の間に置かれている2つの石のことです。

目を閉じ、一方の石から反対の石へ向かう事が出来れば、恋愛が成就するとされる願掛けの石で、たどり着くまでの所作によって、その恋を占うことが出来るため、「恋占いの石」と呼ばれています。尚、2つの石の間は、およそ10メートルほどの距離があります。

参考文献
  1. 京都地主神社『ご利益まいり』
  2. 平凡社『京都・山城寺院神社大事典』
  3. 横山正幸『京都清水寺さんけいまんだら』(京都 清水寺)